飢餓惑星・日本は生き残れるか。
「飢餓惑星」これは、当然、我が地球の姿である。
いくら不景気とか失業とかホームレスといっても、水道の水を自由に飲めて、残飯でも食べるものがあれば、まだ、この国は恵まれている。地球温暖化、乱開発による自然破壊と経済発展による貧富の格差で、既に、この地球では、飢えていない人の割合を飢えている人が上回り始めている。
現在の世界の穀物生産量は、アメリカ農務省が今年、8月に出した予想(10〜11年度)によると22億1281万メトリックトンで、前年の22億2648万メトリックトンを下回っている。
今、現時点での全地球の人口は、68億9195万2900人である。
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これから1人当たりの穀物供給量は、備蓄とか在庫とかをのけても、約320キロである。
○つまり、地球人1名/1日当たりになおすと、僅か876グラムとなる。
全人類の穀物を平等に分けると、これ位にしかならないのである。
この中には、酒やパン、加工品、油脂、もろもろの植物由来の原料も含まれている。
更に、この見積もりは、最低限の穀物生産に必要な気象条件が保たれていることが前提になっているので、このまま地球温暖化や異常気象が続けば、大幅減産ということもあり得る。
ロシアでは、干魃の影響で、穀物の輸出を停止するという。EUも凄まじい干魃の被害。
更に、世界的な景気後退で、農民の肥料やその他の農業資材を購入するお金も底をつき始めている。日本では、考えられないことだが、「水利権」の負担が困難になっている。水が無ければ穀物が出来ない。
あのアメリカの穀物生産を支えているのも膨大な地下水であるが、穀倉地帯の地下に広がっている水脈が、既に浪費され尽くしており、今後は、農業用水の制限を行わなければならない事態が予想されているようだ。
一方、中国では、40年前の日本が辿ったのと同じ道を歩んでいる。都会と農村の経済格差の影響で、「棄農」する農民が増えている。当然、土地は荒れ放題。売られた土地も農地以外の用途で使用されている。
中国の金持ちは、穀物には関心があるが、それは、投機の対象としてで、自分が汗水流して、農業をやろうとする奴はだれもいない。
一定の所得保障を行うことで、農業生産を維持出来るという考え方自体がもはや時代遅れとなっている。
民主党政権下、日本でも農民とつなぎ止めておく為に個別所得保障制度が行われているが、それ位の財源では、農業を支え切れないし、効果は期待出来ないだろう。
今後の地球温暖化が進めば、現在の中緯度地域の気温が低緯度地域並みの気温まで上昇、もともと冷涼な環境を想定して品種改良された小麦とか多くの穀物の生産時代が難しくなり、遺伝子組み換え等の最新技術を用いても、人口の増加に対応する為の増産はおろか、今の水準を維持することすら困難になっている。
今の民主党政府は、江戸時代並みの刹那的かつ狭量な視野しか持っていない。
日本国内の自給率を上げるのが、最も有効な食糧安全保障への対策だとしているが、既に、世界の現実をみると意味がなくなってきているのである。
日本が、このままの自然環境に恵まれるといったあり得ないことが起こったとしても、最大限頑張っても60%以上に自給率は上がらない。この水準では、戦後の食糧不足時代の供給量にも遙かに及ばない。多くの餓死者が出るだろう。
つまり、海外から食糧を輸入する以外に方法がないのが日本であり、何も日本だけではなくて、アメリカや南米の一部以外の国でも、食糧を輸入しなければやって行けない状態になっている。
今、政府がやることは、海外からの穀物輸入を如何に安定的に維持するかが最大の課題であり、それが唯一国民の生活を保障するのである。