今日は、大阪市住まい情報センター3階ホールで開催された「長寿命住宅シンポジウムV 住み継げる住まいを考える為の重要ポイントを発信!」を聴講させていただいた。
参加した理由は、『住み継がれる家の価値V』が参加者は無料でもらえるということに尽きる。
スーク創生事務所代表の大島祥子さんという方(写真左端)が、宮古島で撮影した住宅の写真がブログに掲載されていたが、棟の構造が判りにくかったので、詳細な写真が知りたかった為。
宮古島の住宅は、超耐気候性を備えると共に、島の気候風土(季節によって風向、風力、天候が変化)にも適応出来る柔軟設計のお家。
一番、凄いと思ったのは、屋根の構造である。うちのボロ家もこんな風に屋根をやってもらえれば、六甲山下ろしの強風に耐えられると思う。瓦の色もうちの家に似ている。棟の補強には、漆喰を徹底的に使用している。
少し、疑問に思ったのは、こうしてしまうと、ウチの家でも発生している様な通気性の問題が生じてしまうのでは。コーティング材にもよるが、通気性がなくなると、屋根材の劣化も速くなり、快適性(自然な除湿や温度調整機能)も失われてしまう。
シンポジウムは延々3時間に及ぶ。
「住み継ぐ」という言葉自体が、
@家という(ハードウエア)の継承
A社会性の継承(地域社会における役割)
B住みこなしの継承
3ポイントがあり、更に、「継承」も親子、他人(第3者)等の場合がある。
つまり、積水ハウスさんのエバーループの発想は、住宅を「商品」としてみて、@に、重点をおいて、動的平衡性を保ちながら、再生利用していく発想である。もちろん、家の家族構成や社会性等も考慮しないではないが、あくまでも再生利用が可能なプレハブ住宅づくりのコンセプトである。
具体的には、頑丈な基礎構造、施主の希望や家族構成の変化等に対応しやすい柔軟設計、家の性能の維持プラスアルファの商品価値(新しさ)の維持等のコンセプトである。
この点について京都大学大学院教授の高田先生は、異議をおっしゃられた。具体的には、「じゃあ、積水ハウスさん以外の家だったらどうするの。」ということだが、住宅メーカーとしては、商品性が表面に出てくるし、やはり、リユースの場合でも「新しさとか、商品の魅力」は、セールスポイントになるので、どうしようもない。それが大手住宅メーカーの家づくりの限界かもしれない。
もう1つの考え方としては、古民家再生(今回は、有限会社菅家設計室の代表菅家克子さんの事例である。これは、築200年とかそれ位の代々住み継がれてきた家について、性能維持(補強)、住みやすさへの対応(家族構成や趣味性、家の社会的意義)の為のイノベーションである。
例えば、古民家をイノベーションで商品として、新たな顧客に販売する場合もあるだろうが、多くの場合は、家に代々住み継がれていた家族の希望に答えた改築である。