三島由紀夫 『蘭陵王』の草稿を読んで
2010-05-16



 この草稿が梅田茶屋町の古書店で販売されていた。

 あちらこちらに修正、加筆された箇所があって、この人、最後に書いた短編まで、こんな風に推敲を繰りかえしていたんだと思って読み返す。


 修正は、間違いを正した訳ではなくて、表現の変更に近い。1箇所が修正されると、それに呼応する箇所にも手が入っており、因果関係が良く判る。

 この順番を追っていくと、作家の思考過程(この人、原稿を書きながらも考え続けていたんだ。)が判るので面白い。

 近代文学ってつまらないと思っていたが、活字以前の段階をみると、古典文学に近い様なところもあり、結構、面白いと思った。
[佛教大学]
[本]

コメント(全0件)


記事を書く
powered by ASAHIネット